月別アーカイブ: 2015年2月

「手なし娘」 講習会のこと、蛇足  byヤン

4月の講習会のこと、ちょっとだけ補足説明しますね。
ババ・ヤガーでは、お話歴5年以上の人のための勉強会をしています。中級講
座って呼んでいます。
隔月でやっていますが、年に1回ほど基本講義をします。いつもはメンバーだけ
でやるのですが、今回は、興味をお持ちのかたに広くお声をかけていま す。
というのは、ヤンが講義の準備をしていて、めちゃおもしろいことを発見したの
です〜!
えっとね、お話は選びが8割って、いうでしょ。それで、「お話の選び方」を、
具体例を挙げて講義しようと思ったの。
具体例には「手なし娘」を選んで、資料を探しはじめたんです。
みなさんよくご存じなのは、日本の「手なし娘」とグリム童話の「手なし娘」。
さて、あなたはどちらを選びますかってことなんですが。
両者はあらすじはほとんど同じです。でも、なぜ手を失ったか、どうやって手が
戻ってきたか、が、まったく違うんですね。
日本の「手なし娘」では、子どもが水に落ちそうになって思わず手を伸ばそうと
したら、バンって手が生えますよね。感動的なシーンです。
なのに、どうしてグリム童話にはそのモティーフがないのだろう。これは日本独
特の発想なのかしら。
これはテーマと深くかかわる大事なところです。
それで、調べ始めたら、ヨーロッパのあちこちに「手なし娘」が伝わっていまし
た。それらを集めて読んでみたら、なんと!なんと!
あとは聞いてのお楽しみ〜
インドにも「手なし娘」がありましたよ。
類話の探し方やどんな昔話資料があるかということなどを、みなさんにお話しよ
うと思います。自分でも調べられるようにね。
類話を集めて読み比べると、同じ話型でも民族によってテーマやストーリーに違
いがあるのが分かります。その話がどういう話かということが立体的に 見えて
くる。
そうやって、その話の世界をふくらませたうえでテキストを選ぶと、語りが変
わってくると思います。
興味をお持ちのかた、どうぞいらしてくださいね〜
ヤン

ストーリーテリング基本講義講習会のお知らせ byぽん

ぽんです。
ババヤガーでは4月に以下の講座を行います。
ご興味のある方は、どうぞお問い合わせ下さい。
ストーリーテリング基本講義
お はなしを選ぶ ―「手なし娘」をめぐってー
日 時:4月10日(金) 10:30~12:30
場 所:京田辺市立中央図書館2階集会室
類 話を集めて読み比べると、話のテーマの、民族や地域によるバリエーションが見えてきます。
今 回は、「手なし娘」を例に、類話の探し方と考え方を教えていただきます。
講 師:村上郁 (小澤昔ばなし大学再話者協会指導員/バ バ・ヤガー講師)
会費:500円 資料代含 む
定員:50名 (先着)
〆切:2月28 日 ただ し、定員になり次第締め切ります。
 
当ホームページのお問い合わせページよりお問い合わせください
注)図書館の駐車場は使えませんのでご注 意ください。
もしお車で来られましたら、他の駐 車場にお停め下さい。
チラシはこちら

合わせて5クラス  byぽん

今日も寒いですねぇ。
でも、日差しは確かに立春。
ぽんです。
昨日と今日で5クラスにお話会に行ってきました。
全部同じ学校。ここは1〜4年生、月1回です。
どのクラスも30〜35人、ろうそくなしで30分強。
プログラム
1年生2クラス
語り 「舌切りすずめ」  
      『日本の昔話2 したきりすずめ』 福音館書店
語り 「うさぎのなみだ」
      『ロシアの昔話』 福音館書店
絵本 「おへやのなかのおとのほん」
     マーガレット・ワイズ・ブラウン/文 レナード・ワイズガード/絵 
      江國香織/訳 ほるぷ出版
「舌切りすずめ」は日常語に変えて語っています。
4年生3クラス
語り 「石になった狩人」 『子どもに語るモンゴルの昔話』 こぐま社
語り 「ふしぎなやどや」 同名絵本
         長谷川摂子/文 井上洋介/画 福音館書店
絵本 「エゾオオカミ物語」 あべ弘士 講談社
4年生の3クラスは、私にとって今月が最後のお話会なので、
最初にその旨伝え、これまでのお礼を言ってお話会をはじめました。
「うさぎのなみだ」と「ふしぎなやどや」は
他の方が語られるのを聞いて、面白い語りたいと思って覚えたのに
今までなかなか手応えを感じられなかったんだけど、
今回は、がっつりと子ども達が聞いているという感じを持てました。
このがっつり感、それぞれのお話によって、感じられるまでの時間が違うんだけど、
この二つはちょっと時間がかかったかな。
今まで、まだまだな語りを聞かせてしまった子ども達に
懺悔と感謝の気持ちでいっぱいです。
ごめんね。そして、ありがとう。
今週は、木曜日に1クラス(この学校の1年生)
そして、週末に図書館です。
風邪の多い季節。
みなさまお身体と声を大切に・・・。

2月の寒い屋根裏で  byヤン

やぎのがらがらどんがつぶやいた、月に一度の寄り合い。
今月もたくさんのお話が集まりました。
「世界でいちばんきれいな声」 『おはなしのろうそく』
「三枚の鳥の羽」 『語るためのグリム童話集』
「鬼の面をかぶった娘」 『日本の昔話』福音館 日常語で
「三つのねがい」 『子どもに語る日本の昔話』
「じいにすいつこう」 『子どもと家庭のための奈良の民話』
「鬼とあんころもち」 『子どもに贈る昔話 鬼とあんころもち』
「ホレおばさん」 『子どもに語るグリムの昔話』
「小鳥を飲みこんだお爺さん」
「うそのたね本」 『京都の昔話』
「マリアの子」 『語るためのグリム童話集』
「まめ子と魔物」 『子どもに聞かせる世界の民話』
「ある机の人生」 『よもつひらさか』ゼルク・ゾルターン作
「六匹のうさぎ」 『世界の民話』ぎょうせいより再話 (そのうちUPします)
ね、このバラエティに富んだプログラム。
しかもめちゃくちゃな並び順(笑) 意図しない美しさがありますね〜
いつもいつも同じ顔が並ぶのではなく、ひょいとあらわれた人がとっても珍しい
話で楽しませてくださる。
始めたばかりの人がびしっと決める、ベテランが「ううう」とこける。
語りかたのスタイルも十人十色。
それもこれも、とにかく楽しくて時のたつのを忘れてしまいます。
♪うめにうぐいす たけのこ すいせん おひさまかがやく さんじょの じょ ♪
おとなも肩寄せ合って、この奇跡のような平和をあじわいました。
世界がどのように動いていこうとも、おはなし、語ろうね。
おはなし持ってきてくださったかたがた、ありがとう〜
ヤン

老人会でお話会  byぽん

ぽんです。
今日は某老人会の集まりで、お話会をやってきました。
プログラム
語り 「食わず女房」 『子どもにかかる日本の昔話3』
語り 「話十両」 『紀伊半島の昔話』より再話
     (『日本昔話通観 第15巻』)
語り 「雪女」 『子どもに語る日本の昔話2』
(休 憩)
わらべ歌、手遊び
(休 憩)
語り 「粟福米福」 『子どもに語る日本の昔話2』
語り 「ねこの名前」 『かたれやまんば第2集』
語り 「三つのねがい」 『子どもに語る日本の昔話3』
私は、「食わず女房」「話十両」「三つのねがい」を語りました。
聞き手の方達は25名程度。
皆さん、しっかりしたお年寄りの方ばかりでした。
熱心に聞いて下さり、昔の言葉が出てきたので、懐かしかったとおしゃっていま
した。
三つのねがいでは、涙を浮かべておられる方もいらっしゃいました。
また、思った通り、子どもの頃に祖父母に布団の中で昔話を聞いていたと言う方
も1名いらっしゃいました。
伝承の語り手発見か・・・と思いましたが、
「怖い話ばっかりでなあ、作り話やったんと思うわ。それに、忘れてしもた」
とおっしゃってました。
残念。
もっとじっくりお話を伺えたら、ひょっとしたら思い出されたかもしれません。
それも、重ねて残念。
私が風邪ひいてて、いつもみたいに強く押せなかった・・・。ああ、残念。
ざんねん。