日別アーカイブ: 2017年7月16日

中級講座 7月

猛暑の中、中級講座が7月14日にありましたので、

ピンチヒッターかぶ が、報告させて頂きます。

暑いけど溶けずにがんばるぞっ

 

<レポート付き語り>今回は かぶ が担当でした。

森の家」『語るためのグリム童話7』小峰書店

「森の家」はグリム童話集の初版・第2版には入っていません。

レポートを作るにあたって、のっけからつまずいてしまいました。おまけに家の前で大掛かりな工事が始まり騒音で集中できず、その上 この猛暑でぼーっとしてしまい……と、言い訳をいろいろ言ってから始めます。(皆さま、ごめんなさい)

『グリム童話考』小澤昔ばなし研究所 から→第4版から入ったことが分かりました。

初版に載っていないということで、いつもの探し方ではAT番号も分からず、類話が探せない・・・そこでいろいろな本にあたってみることに。

『グリム童話を読む事典』三交社 から→AT431が判明!ところが

『世界の民話25解説編』ぎょうせい を見ても、AT431の項目なし…

『国際昔話話型カタログ』小澤昔ばなし研究所 をみる→類話の欄には30余りの国名が載っていますが、私たちが読めるものはない・・・

すなわち類話比較できない~((+_+))

困っていたのですが、『グリム童話の誕生』小澤昔ばなし研究所 を読んでいると、「グリム童話の徳目」の項を見つけました。調べていくと

「森の家」と「黄金の鳥」は

共通の徳目「B上向きの履歴書」と「G動物への親切」を持つことがわかりました。

お!これは、共通の徳目、つまり同じテーマを持った、「類話」みたいなものか?!と勝手に考えた私は、レポートにしました。

しかし、ヤンさんから「おもしろい調べ方。でも、同じ徳目を持つことから、同じテーマを持つ話、と言えるが、類話とはちがうよ」と教えて頂きました。なるほど!そうですよね。類話とは、同じモチーフを持つ話ですもんね。ふむふむふむ。

あとは、「森の家」の再話比較です。同じテキストを読み比べて、なぜそのテキストを選んだのか、比較しながら考えます。

発表しながら思ったのは、

語法の勉強がとっても活きてくる!

ということです。

どうしてその言葉がいいのか、どうしてその方が描きやすい(想像しやすい)のか、すべて語法で説明ができるんです!語法、すごいです!ヤンさん、いつも語法を分かりやすくお教えいただきありがとうございます!

レポートの発表のあと、「森の家」の語りについての講評です。

そうです。中級講座では、語りについてもしっかりと勉強します。

今日の「森の家」は、語り手の感情が表に出すぎ、でした。例えば、

怖い場面を怖く語ってはいけない、のです。

語り手が怖がってはいけない、のです。

しかも今回の語りでは、聞き手が「今度はどうなるんだろう…」と不安に思いながら聞いている場面に、自分(語り手)は先を知ってるもんで、「明るく語る」という間違いまで犯していました。

いけませんねぇ……とほほ(;_;) 初歩的なミスですな……

これで子どものとこへ行ったら、えらいことでした。

ヤンさん、ご指摘ご指導ありがとうございます。

「ものがたりは聞き手の中にある」ですね。

それを邪魔したらだめですね。

肝に命じたいと思います<(_ _)>

 

<語り>

ものいうたまご」『アメリカの昔話』偕成社文庫

楽しい話です。でも、語り手さんによると、聞き手の子どもたちが、よく分かって笑ってくれる時と、???という顔で反応のない時がある、とのことでした。ヤンさんより語り方のくせや、語り方のポイントのアドバイスがありました。

大事なところは、言葉を立てる。

はっきり言った(発音)ところははっきりイメージできるが、弱いところはイメージもはっきりしない(できない)。

などなど、自分が語る時にも参考になるヒントがたっぷり詰まっていて、本当に勉強になりました。

 

軽く昼食をとってから、

以前から取り組んでいる呪的逃走譚の考察

前回はグリム童話の呪的逃走譚7話を考察しました。

今回は「しらくも頭のジャン」『フランス民話集』岩波書店を読みながら対応表に書き込んでいきました。

呪的逃走譚、世界中にたっくさんあって、どれもおもしろいですねぇ~!!

まだまだ先は長いですが、どんなことがわかってくるのかとても楽しみです!

 

 

中級講座は新メンバーさんが増え、近ごろさらに、ますます前向き上昇中です!

今日の報告は、新メンバーさんがレポート担当する時の参考になれば、と思い、レポート作成の経緯もちょっぴり書かせていただきました。

 

私も暑さにまけず、ますます精進したいと思います。

 

それでは、みなさま次回の中級講座は9月です。

元気にお会い致しましょう。

 

「ものがたりは聞き手の中にある」を心に刻みこんだ かぶ