日別アーカイブ: 2015年10月11日

ゴスペルを聴きに行きました  byぽん

ぽんです。
今日、地元のおはなしグループのメンバーが所属するゴスペルグループのコン
サートに行ってきました。
初めて聞く、ゴスペル。「どんなもんかなあ」と思いながら行ったんですが、い
やあ、素晴らしかった。
圧倒されました。感動して泣きそうになりました。
人の声って、すごいね。これほど素晴らしいものはないね。
表現する自由、歌う喜び、生きる喜び。溢れていました。
ゴスペルだもんね。もともと、そういうものだもんね。
演奏家(歌う人も演奏家かなあ?)は自分の感情の動きや思いを曲に合わせて、
観客の前に広げます。
そして「ねえ、聞いて。私と一緒に感じて。私のこの思いを受け止めて」と訴え
てくる。
歌の場合、それに歌詞がついてるもんだから、余計訴えてくるものは多い。
私達が普段しているお話ってどうだろう?と思ったのです。
語りも、歌と同じように、言葉にのせて、聞き手にそのお話の世界を伝えていき
ますよね。
でも、感情をそのまま聞き手にぶつけはしませんよね。
自分の思いをすべて聞き手に見せませんよね。
っていうか、それってダメって言われる。
淡々とってね。
でもね、本当にそれが正解?
淡々とが正解?淡々とストーリーだけを伝える、それが正解?
確かに、感情の動きや語り手の思いを前面に出すことはしません。
でも「語るお話を選ぶ」「プログラムを組む」、もうそれだけで、語り手の思
いって出てきませんか?
そして、語るとき、そのお話の世界を聞き手の前に広げるとき、自分の思いも一
緒に出てきませんか?
語り手の作るお話の世界は、それこそ、語り手のイメージになるのではないですか?
前面には出しません。でも、控えめながら、それってやっぱり語り手の思う世界。
それを、聞き手に見せるんですよね?
聞き手にそのおはなしの世界(ストーリーに沿って進む世界)を感じてもらうん
ですよね?
なら、これって、音楽や絵画と同じじゃないですか?
程度の違いだけじゃないですか?
音楽の演奏家の人達も、自分の音楽を聴いて貰ってる間、その場所と時間を共有
している聞き手と、一体感を持ってその時間を過ごすのではないです か?
語り手はどう?
私も、やっぱり聞き手の前に広げて見せた世界を、聞き手と一緒に見、一体感を
持ってその空間の中を漂い、お話の語られてる時間を過ごすことを、目 標にし
ているよね、と思うんです。
語りは、おはなしのストーリーを聞き手に見せます。
音楽も、その音楽の持つストーリーを観客に見せます。
どちらのストーリーも語り手や演奏家の思いの中で、展開されていってると思う
のです。
違うのはどれだけ出すかってこと。そう、程度の問題。
そんな風に思うんです。
本当に淡々とがBESTなら、いっつも一定に聞こえるように、その時の聞き手
の要求なんかお構いなしに、そのストーリーだけを進められるように、 生身の
人間が一回一回語るより、テープ(ああ古ーい)か何かに録音したものを流す方
がいいんじゃないですか?
生で音楽を聴く度に、繰り返される疑問。
   
        byぽん

プログラムの工夫   byヤン

授業のおはなし会では、先生が、教科で教えている内容とタイアップさせたいと
考えられて、テーマをリクエストされることが、よくあります。
新美南吉、宮沢賢治、斎藤隆介……
3年生で初めて理科を習うから、蝶についてとか、6年生で12歳が主人公の物
語とか、環境問題とか。
こういったテーマは、ブックトークの領分だと思います。
もちろん、子どもと本をむすぶ方法として、ブックトークは手っ取り早い方法だ
と思います。
でも、わたしは、「音声としての言葉」から物語を楽しむ力を養うことが、「文
字としての言葉」から物語を楽しむ力に直結すると考えています。
つまり、お話を聞くことで、「言葉」という抽象性の高いものを使って具体的な
イメージを想像することができるようになる。その力さえつけば、やが て文字
を読むテクニックが向上してくると、こんどは文字であらわされた「言葉」から
想像することは容易だと思うのです。
おはなしは、子どもの言葉の力をつけることで、基本的に子どもと本を結びつけ
ると考えているのです。
といっても、私がおはなしを語るのは、子どもと本を結びつけるためではありま
せん。
語るその瞬間にその物語をともに楽しみたいからです。
そのことで、人間だけの持つ能力、言葉の力をつけたいと思うのです。
ことばの力は、想像力であり思考力です。
学校の勉強のできる子、ではなく、賢い子になってほしいと思うのです。子ども
は、私たちの未来です。
ははは。ちょっと遠回りしましたね。
つまり、先生の希望とこちらの目的がほんの少しずれているといいたかったので
す(笑)
それで、プログラムに、いろいろと工夫をすることになるんですね。
わたしがいまこの子たちに聞いてほしいと思う話と、クエストされたテーマとを
いかに結びつけるか。
まあほとんどこじつけですけど(笑)
でもそのおかげでプログラムに厚みが出てくるし、ひとつのものとしてまとまる。
けっこう楽しんでやっています。
そのテーマの本をどさっとおいて帰るので、先生たちはよろこんでくださいます。
もちろん子どもたちも。
一挙両得です。
  ヤン