月別アーカイブ: 2016年12月

もの想い 芸術としての

もの想うはずの秋もばたばたと暮れ、師走のあわただしいこの時期に、ふともの想いにふけっている。

わたしのしていることは何だろう。

語りは口承文芸(口伝えの文学)であり、文芸とは言葉を手段とする芸術である と、いつも入門講座でみなさんに説明する。

そこへ回帰することを、ふと忘れて目の前の諸々に対処している自分がいる。
より質の高い再話、より質の高い語りにむけて、一段ずつ登っていきたいと思ってはいるのだ。

ひとつひとつの再話、一回一回の語りは、子どもに向けて語ることで成り立つ。
少なくともわたしは、自分の語りが子どもに向かっての芸術でありたいと願う。

今朝の新聞に福田恆存の言葉が引用されていて、心のコリやしこりをもみほぐすのが芸術の役割だというようなことが書かれていた。

芸術活動は、選ばれた一部の人びとの高尚なものではない。
昔話の語法を学んでいると、そのことが納得できる。

子どもたちの心のしこりをほぐすことのできるような語りをしたい。
道ははるか遠くだけれど、もしかすると行き着くことのできない道かもしれないけれど、ひと足ひと足歩くことはできる。
のこされた時間は限られているけれど自己満足で終わらせたくないと思う。

わたしのしていることは芸術だと、いつか、いえるようになりたい。

12月の日常語講座

朝晩がめっきり寒くなり、起きるのがつらい季節になって参りましたね。
気付けば12月。師走です。わあ、年賀状用意してない、クリスマスツリーも出してない!

さて、12月の日常語講座は、

〈語り〉

犬と笛」 『子どもと家庭のための奈良の民話一』

どっこいしょ」 『日本の昔話5』

化けものをひとくち」 『日本の昔話1』

〈テキスト〉

舌切りすずめ」『日本の昔話2』

かたつむり」 『語りの森HP』

今回も一話ずつじっくり確認していきました。

⓵ 【倒置法は語りに向くか】

聴き手は耳に入る順番にイメージしているので、これは難しそうでした。
ただ、接続のしかたによってはいけるみたいです。

⓶ 【擬態語(オノマトペ)は日常語に変えられるか】

昔ばなしらしい表現「行くが行くが行くと」
スズメの舌を「ぽつん」と切る。

「舌切りすずめ」から例を引用してきました。
10月の日常語講座でも話題になりましたが、擬態語はその土地・地方での独特の言い回しやリズム、音のおもしろさを感じられる部分だと思いました。
そういった言葉や言い回しをそのまま使うことにより、自分のものにできたなら、自分の語彙を増やすことにもなりますということでしたよね。
ただ、この件については、「そのまま使い、日常語には変えない」、「自分の日常語に変える」は安易に判断できず、ケースバイケースな面もあり、いつも答えは出ません
(;´・ω・)
なので、標準語のテキストのなかで、わざわざ標準語に変えずに残してある部分の再話者の意図を考えつつ、「そこんところ原話ではどうなってるの?」と原話を確認する・・・といいのではないかと初心者もっちは、先輩方の熱い討論を聴きながら思いました。

ヤンさん、こんな感じでいいでしょうか~?

代理レポのもっちでした。

今年の紅葉狩り 伊賀上野

あれやこれやとばたばたしてましたが、やっとチャンスを見つけて、紅葉狩りに行ってきましたよ~
最近は12月でも紅葉を楽しめる。あ、関西のはなしね。
忍者の里、松尾芭蕉の故郷、伊賀上野へ列車の旅です。

改札入って駅員さんと話してたら夫がいない。
階段を下り、上り、下り、やっと見つけた夫。
わたし「あかんやん。ちゃんとそばにおらんと」
夫「なんかしゃべってたから」
わたし「行くなら行くっていうてから行かんと、わからんようなるやん」
夫「じぶんかて、新婚旅行のときグリンデルワルドの駅でおらんようなったやん」
お~、まいわいふ、いずろーすと!
わたし「なんで百年も前のこというてんの」

ああ、いつもの珍道中・・・
JR関西線で、一路伊賀上野へ

沿線の紅葉も楽しもうと、欲ばり心で、列車の一番後ろに立ちました。

ちょっと色あせてはいるがまだまだ美しい。

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伊賀鉄道に乗り換えて上野市へ。
伊賀鉄道のワンマンカー、忍者の電車です。かわいいでしょ。

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じゃ~ん、上野城の天守閣!
きれいでしょ。

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上野城の紅葉です。

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おつぎは城下町で出会った忍者たち。

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二百石取りの入交(いりまじり)家のお屋敷です。
持ち家ではなくて官舎のようなものだったそうです。
長屋門はありましたが、母屋は瓦葺ではなくてかやぶきの簡素でコンパクトなお屋敷でした。

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朝のおはなし会のあと飛び出していったのでカメラを忘れてしまった。
ガラケーで撮った写真は、やっぱりぼけてるなあ。
お粗末!

でも、でっち羊羹はおいしかったし、地元の人とのちょっとした会話はあたたかくて心がほどけました。