日別アーカイブ: 2019年9月26日

再話クラス🍐🌰🎑

今年度2回目の再話クラスの報告をします!(^^)!

語り(耳で確認)
「しじみの三兄弟」『日本昔話通観第15巻三重・滋賀・大阪・奈良・和歌山』同朋舎
しじみの兄弟が竜宮に行ことしますが末っ子しか行くことができなかったというおはなしです。
どうして兄ふたりは行けなかったのかの種明かしが、この話の面白いところです。
繰り返し部分が出てきますが、〝繰り返し部分をそろえるかクレッシェンドさせるかは、話によって違う〟というのが、お勉強のポイントでした。
「人と動物の寿命」『昔話―研究と資料―第四六号』日本昔話学会
これは、前回のテキスト検討の時もおもしろくてみんな笑いながらでしたが、語ってもらうとやっぱり面白いんですよね。
人の寿命に関するはなしで、人間は動物たちの寿命をもらっているから長生きだけれども、その分辛いこともあるよ、というような内容で、子どもが聞いたら「ふ~ん……」で終わりそうです(笑)
で、老人施設で語られたそうです。
案の定、爆笑!
テキストとしては、原話の後半は世間話の様相であることと、人間の人生のとらえ方が少々前時代的で現在の状況に合わないんじゃないかということと、加算していく数字が間違っているんじゃないかとか、原話の問題が出ました。
原話というものは、こういうことがあるんだと改めて考えさせられました。
テキスト検討
「岩泉の桃太郎」(原題:桃太郎の岩泉がたり)『まわりまわりのめんどすこ―続・岩泉の昔ばなし―』熊谷印刷出版部
岩手県のおはなしです。
前半は桃太郎が、犬・さる・きじにきび団子をやって鬼退治に鬼が島に向かいます。
続いて、針・牛のふん・かに・臼がでてきて、桃太郎の家来が増えます。
鬼が島についてからは、あとから増えたご家来衆が活躍して、さるかに合戦のクライマックスと同じです。
戦闘配置は、桃太郎が指図します。
最後は桃太郎と全ご家来衆が宝物を持っておじいさんとおばあさんの元に帰ります。
ふたつの話が合体したような、こんなおはなしがあるんですね。
原話探しはたいへんだけど、お宝発掘に似ています。
原話では、牛のふんにだけ、〝どの〟がついていて、〝牛のふんどの〟になっているんです。
テキスト検討では、他と統一して〝牛のふん〟にしましたが、原話の語り手さんはきっと、牛のふんにだけ〝どの〟をつけることによって笑いを取ってたんだろうな、とヤンさんが言われました。
はあ~~、なるほど、言われてみれば納得です。
そこまで読み取るなんてさすがです!
自分もたくさん原話を読み込んで、語り手さんの息吹というか、語られたときの雰囲気を読み取りたいもんだと思いました。
原話の中には、語りのテキストにはない躍動感が残っているんですね。
「ぼた餅と豆腐の伊勢参り」『日本昔話通観第14巻京都』同朋舎
これは、わたしの知る伊勢参りシリーズのなかで、最短で「ぷっ」と笑わせてくれる、さらっと上質の一話のように思います。
ぼた餅と豆腐が伊勢参りをする道中の話ですが、形体の違いから進み方が違うから差が出るという、こんなまとめ方をしたら何にも面白くないんですが、それがとっても面白い話なんですよ。
擬態語と擬音語が何ともいえず効いています。
聞いたことのあるもの・聞いたことのないもの、両方入っているんですが、様子をよく言い表していて笑えます。
擬態語・擬音語があると、語るときに工夫というか、気持ちが入るというか、何か素通りできないわたしですが、この話ではむしろ何も考えていませんという風に、そのまま語るのがほんとにはまって面白いと思いました。
次回、語っていただくのが楽しみです。

原話を探すのは、とにかく原話を読むことが必要で、時間に追われている身では読みだす一歩がなかなかなんですよね。
そして、読みだしたら時間がかかります。
夢中になってしまって、途中で止められませんからね。
原話の世界に入ったら、洗濯とかご飯の用意とかがどんどんできなくなりますから(笑)
でも、原話本一冊とか、話型を調べて類話を集めてみるとか、やっぱりやらなくちゃ再話はできないわけですから、お宝発掘に精を出そうと改めて思いました。
今回、見学のかたがおられまして、うれしいことに入会を決定されました。
みんなで再話、楽しく頑張りましょう!!