月別アーカイブ: 2023年3月

3月の初級クラス

先日、京都・城南宮のしだれ梅と落ち椿を観てきました。異界に迷い込んだような美しさでしたよ~

椿の花の時期は早咲きは10月から春咲きは4月までと、とても長いのをご存じでしょうか。私は冬に咲く花だと思い込んでいました。
私の語りたいお話リストの中に「佐渡の白つばき」というお話があります。このお話の椿は春咲きです。

手遊びジャンケン
梅にうぐいす、たけのこ水仙
お日様かがやく、さんじょのじょ

語り
1.水晶の玉/語るためのグリム童話7/小峰書店 
2.しんぺいとうざ/語りの森昔話集3/語りの森
3.黄太郎青太郎/子どもに語るアジアの昔話1/こぐま社
4.小僧さんとねこの絵/語りの森昔話集5/語りの森
5.庄やん/子どもと家庭のための奈良の民話2/奈良の民話を語りつぐ会
6.十二のつきのおくりもの/おはなしのろうそく2/東京子ども図書館
7.小さな赤いセーター/愛蔵版おはなしのろうそく4/東京子ども図書館

ヤンさんの語り
いぬとにわとり/おはなしのろうそく31/東京子ども図書館

講評
・初級のうちはとにかくテキストのまま語る。ここはどうか?と思いながら、聞き手の反応を見ながら、色々考える時期。
・擬音語、擬態語はその言葉だけでなく、前後の文章から話の解釈を入れ込む。
・「覚えた話」を語るのではなく、「知っている話」を語るためには、テキストを完全に覚えた後の色々な語り方の積み重ねが効果的。
・色々な声の出し方、語り方を試してみると良い。
・セリフについて大きな声で言った、と書いてあっても、声を大きくして語るのではなく、「大きな声らしく」語る。
・似ているが違う「くり返し」箇所を覚えるのが大変な時、くり返しの部分だけ取り出して集中して練習する。
・実際に子どもの前で語ることで、学ぶ事が多い。

今月は2名のニューフェイスを迎えての初級クラスでした。来月の語りのエントリーに手が上がる、手が上がる!とっても活気に満ちた新年度を迎えられそうです♪

次回の初級クラスは4月11日(火)です。
『ノート式おはなし講座・語りこの愉しき瞬間』を持ってきてください。

3月の日常語クラス

外を歩けば、色んな花のいい香りがしてきますね。待ち遠しかった春がやってきて、あれもしたい、これもしたい、とわくわくしますね。ホタルイカが食べたいです。

語り

島をすくった三人兄弟 『日本の昔話3』福音館書店

だんだん飲み 『日本の昔話5』福音館書店

聞き耳 『語りの森昔話集1/おんちょろちょろ』語りの森

テキストを日常語になおす

危機一髪 『語りの森昔話集5/ももたろう』語りの森

手なし娘 『日本の昔話2』福音館書店

鳥のみじさ 『日本の昔話3』福音館書店

ヤンさん語り かっぱのむこさん 『沖永良部島昔話集』岩倉一郎編/民間伝承の会

日常語の語りは、耳に心地よくて引き込まれますし、音楽を聴くようにふわっとします。語り手の日常語とリズムでイメージを渡してもらうので、聞いて知ってる話に聞こえてくるから(覚えたんじゃなくて)「ふん、ふん、そうなんか~」と、おはなしを、より身近に感じ、楽しみ、怖がり、笑い、語り手と聞き手が一つになるような雰囲気になるのかなと、改めて思いました。

今日もいいことを教えてもらいました!

つらつらと文が長くて言いにくいとき 「この家の屋根の茅に…」→いいところでを入れる。「この家の、屋根の茅に」もしくは、『』を入れる。~のな~にな。そうすることで言いやすくなる。

言葉が見つからないとき 「それじゃあ、わしの…」→ほんなら?、わしの…→それじゃあを取る。「わしの…」 取ってしまっても大丈夫なら、取る

語尾の連続性が気になる、うるさい?と迷うとき  それを逆手にとって楽しむ

自分の土地言葉に悩むとき  思いっきりくだいて語ってみて、聞いて確かめる

今日もとても楽しく、学びの多い時間となりました。前にも言ったかもしれませんが、私の日常語は遠州弁(浜松)と関西弁なのですが、関西に引っ越してきた時、新しくできた友達に自分の言葉をおもしろがられて、びっくりしたことを覚えています。「そうだに~、~しただよ」標準語だと思い込んでいたんです(笑)色々思い出して考えてみると、おじいちゃんおばあちゃん子だったことも今の日常語に影響してます、世代で流行って使ってきた言葉もあります、父母・兄とも少し違う言葉を使ってます。みなさん一人ひとり違うってことですもんね。人を通して言葉が変わっていくことを思うと、言葉が人を語ってるってことか~。深い。人が言葉を使っているのか、言葉が人を使っているのか?瞑想です(笑)報告を書かせてもらうことで、日常語の入門で学んだ事に立ち返ることができました。そのまんまの自分の言葉の語りで、子どもたちに届けられたときに、何が起こるのか?!そこを体感できるように、楽しみにしつつ、日常語直しと語りをしていきます。

次回は5月12日㈮です。

あったかペーチカおはなし会

3月5日(日)

おはなしのプログラム
1.「美しいテレジーナ」『イタリアの昔話』(剣持弘子編訳)より再話
2.「桃太郎」『子どもに語る日本の昔話3』/こぐま社
3.「ものいうたまご」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』/語りの森
4.「かもときつねとからす」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』/語りの森
5.「白雪姫」 『語るためのグリム童話3』/小峰書店
6.「かしこいモリー」 『おはなしのろうそく1』/東京子ども図書館
7.「長い春のために」 語りの森HP
8.「瓶につめられたおばけ」 『語るためのグリム童話5』/小峰書店

3月はひな祭りということで、女の子が主人公のお話がいくつか語られました。
テレジーナ、ブランシ、白雪姫、モリー、女の子がそれぞれ苦難を乗り越えて、最後は幸せになります。
90分超えの聞きごたえのあるおはなし会、知っているおはなしと初めて聞くおはなし、ちょうどいい塩梅となり、楽しい時間を過ごすことができました。

写真は浄土宗総本山知恩院三門(国宝)です。知恩院は小学生の頃に夏休みの宿泊行事で和歌山から来て以来、約40年ぶりに行きました(年齢が分かりますね~^^;)
時間の都合で、御影堂の参拝だけでしたが、当時、御影堂の前で写真撮影したことを思い出して年月の流れを感じ、感慨深い時間を過ごしました。知恩院は3月24日から4月2日まで夜間特別拝観でライトアップされるそうです。平安神宮~知恩院~円山公園と散策しながらのお花見もよさそうですね。
早くも一気に暖かくなって、ここ数日、春本番の陽気です。
桜の開花ももうすぐ🌸

あったかペーチカ今後の日程
2023年4月5日(水)、5月7日(日)
時間は10:15~です。

3月のおはなし会🎎

3月7日(火)

幼稚園3歳児

ろうそくぱっ
おはなし「せかいでいちばんきれいな声」『おはなしのろうそく』東京子とも図書館
絵本『しろいかみ』谷内つねお作/西山悦子撮影/福音館書店
ろうそくぱっ

はじめに、鴨の説明をします。
空を飛ぶこと、水の上を泳ぐこと。
ところが、くわっくわっと鳴くところまで来ると、みんなの集中が途切れかけて、あたふたしました┗|`O′|┛
それでも何とか、持ちこたえて、
わたし「・・・っていえるでしょうか?」
子ども「いえない~!」
を楽しみましたよ。
お母さんがもと同じように鳴けて、よかったね。

絵本は、やっぱり2回読みました。
声を合わせて、「くる」「くるくる」、「ぎこ」「ぎこぎこ」・・・が楽しいです。

3か月だけだけど今年度のお礼に「幸せなら手をたたこう」を歌ってくれましたO(∩_∩)O

幼稚園4歳児

ろうそくぱっ
おはなし「かきねの戸」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』
絵本『ぽんちんぱん』柿木原政広/福音館書店
ろうそくぱっ

こちらは、「かきねの戸」を2回、語りましたあヾ(≧▽≦*)o
「もいっかい!」っていったけど、3回目は勘弁してもらいました。

やっぱり、お礼の歌を歌ってくれましたよ。
ありがとうの歌でした。題は知らんけど。
体いっぱいで歌ってくれて、しっかり目を見つめて歌ってくれて、うれしかった。小さな子どもって、こんなふうに歌えるんですねえ。
かわいい絵もプレゼントしてくれました。

子どもってつくしのようにぐんぐん成長します。
それを見られるのが、おはなしおばさんの幸せです。

 

 

 

13枚のピンぼけ写真📚

『13枚のピンぼけ写真』
キアラ・カルミナーティ作/関口英子約/古山拓絵/岩波書店/2022年

主人公イオランダは13歳の少女です。
舞台は北イタリア。
時代背景は、第一次世界大戦勃発の1914年~1918年

舞台となった村や町は、作者の故郷でもあり、今もそこで創作活動をされているそうです。
さまざまな資料をもとに、当時の史実に基づいて戦争中の女子どもの生活が描かれています。

歴史に上がってこない人々の生活、とくに女性の戦争体験を、ピンぼけ写真の向こうに見つめるという意味があるようです。

「戦争というのはね、イオレ、男の人たちがはじめるものなのに、それによって多くを失うのは、女の人たちなの」という、イオランダのおかあさんのことばは重いです。
いま、ウクライナでの戦争の情報が、映像を伴って、リアルタイムで入ってきますが、それとオーバーラップします。

戦争はわたしたちを追いたて、エネルギーを吸いとり、巨大な野獣のように上からおおいかぶさり、焼けこげた皮膚とひからびた血のにおいをただよわせながら、わたしたちを押しつぶした。それでも、その爪の隙間から内へ外へとかけずりまわっているあいだに、わたしたちはおばあちゃんを見つけ出し、生きて家に帰ることができたのだ。

イオランダは、生きて帰ることができただけでなく、将来の生きる道も見つけます。
児童文学だから、ラストは主人公の不幸で終わることはありません。

でも、現実はどうでしょう。
戦争のニュースに接するたびに、不安に駆られます。
映像で見るウクライナの人たち(多くは女性です)に、無事であれと祈るいっぽうで、欧米の国々の、いえ日本も、ロシア憎しと結束する様子が恐ろしいです。
冷静になって、決して世界大戦にならないようにしないといけません。
弱い人たちの叫びが、それぞれの国の指導者たちに、どうすれば伝わるのでしょうね。

イオランダがときどき口ずさむ歌が印象的です。

暮れていく夕日よ
おまえはみんなのことが見えるのだから
愛する人のいる場所まで
わたしの想いをとどけておくれ・・・・

***********

きょうのHP更新は、ひさびさに《ステップアップ》です。
テキストをよりよいものにするための秘訣を書いてみました。
といっても長い文章なので、3回くらいに分けてアップしますね。
とりあえず今日のぶんを読んで、自分はどう考えるか一週間考えてみてください。