月別アーカイブ: 2016年2月

2月ホームページ更新しました。

久々に、ホーム更新しました。
といっても2話だけです。

≪日本のおはなし≫
「くまのしっぽはなぜみじかい」
話型名 「 しっぽのつり 」 。この類話は日本だけでなく世界じゅうに分布しています。
氷の穴から尻尾を下ろして魚釣りをする、尻尾が凍りついて取れなくなる、という話です。身動きできなくなって、村人にこっぴどくやられることが 多いです。たいていは、動物のどちらかが悪がしこかったり、またはいつも乱暴な相手を知恵を使って懲らしめる話になっています。
大阪の和泉地方に残っていたこの話は、凍りついた尻尾が切れて短くなったという由来話になっています。そして、くまもきつねも何の駆け引きもし ていません。のほほんとしたくまになんとなく親切なきつね。どこにでもいる私たちのような二匹に心なごみます。

音声は学童保育でのお話会。この日は人数が少なく1、2年生のみ9人。わたしものほほんと語っています。―笑

きのうは、5年生に語りました。ロシアの「美しいワシリーサとババ・ヤガー」の後におまけとして。30分の緊張の後の緩和。くまの間抜けさに、 みな大笑いでした。

≪外国のおはなし≫
「白い子ねこ」
オーストリアの昔話です。
恐ろしい魔女。魔法の力で城は岩山に変わり、王と城の人たちはカラスに変身させられ、岩山の周りを飛びつづけなければならない。城の周りの湖は 凍りつき、だれも寄せつけない。
そのつめた〜い雰囲気が気に入って再話しました。主人公は女の子。可愛がっている四匹の白い子ねこの力を借りて魔法を解きます。

ちょっとホームの更新が鈍ってるでしょ。
いま、リニューアルのために必死で頑張っているところなのです。
新しいホームページでは、語りのステップアップとか、昔話の語法とか、ミニ知識とかのページも作ります。あ、絵本コーナーも。
いつになるかわかりませんが、ご期待ください〜〜〜と、自分にプレッシャーをかけている。

ヤン

2月日常語勉強会

ぽんです。
暖かくなったり、寒くなったり。
エルニューニョのピークが終わって、これからラニーニョに向かうんですって。
今日テレビで言ってました。
詳しいことは、わかりませんが、暖冬→荒れた春→猛暑らしいです。
そろそろ、花粉も・・・。
心安らかには暮らせません。
さて、先週の金曜日は日常語勉強会でした。
テキスト
「あずきとぎの化けもん」
語り
「にせ八卦」
「笠地蔵」
「くじら大王」
今月はこの五話。
いつも、語りはお話会の形式でやっています。
それぞれの個性もあって、面白いお話会でした。
出典は「あずきとぎの化けもん」「にせ八卦」「笠地蔵」が福音館書店の『日本
の昔話①〜⑤』小澤俊夫/再話
「くじら大王」が『子どもと家庭のための奈良の民話二』村上郁/再話 京阪奈
情報教育出版刊
この「くじら大王」がとっても変わったお話。
だいたいのっけから「むかし、南極の海に、くじら大王がすんでたんやて」
(『子ども家庭のための奈良の民話二』「くじら大王」より)で始まるんで す
よ。こんなお話聞いたことあります?私は初めて。ええっー!?って。びっく
り・ぽん。
このお話、出典の本の中では《柳生の市窪ざる》として、三話載ってるうちの一
話。ヤンさんによると、再話した当時、ヤンさんも変わったお話やなあ と思っ
て依頼者の某大学のせんせーにお尋ねしたところ、「市窪ざるのお話は沢山ある
よ」とのことだったので、他の類話を探したおされたとか。で も、この某先生
に見せて頂いたもの以外からは、一話の類話も見つからなかったんですって。
あっ、今紹介した本は再話者の日常語で書かれていますけど、一応《日常語勉強
会》ですので、これを今月語られた方は、共通語で書かれたものから、 ご自分の
日常語にされています。
今年度も日常語勉強会も、残すところ、あと一回となりました。
来年度からは日程を変えて、偶数月の第1火曜日にすることになっています。
では。              byぽん

屋根裏部屋の寄り合い

昨日、2月14日は屋根裏部屋の寄り合いの日でした。
おはなしのメニューは…
「大工と鬼六」 『日本の昔話2したきりすずめ』 おざわとしお再話 福音館書店
「しおちゃんとこしょうちゃん」 『おはなしのろうそく27』 東京子ども図書館
「だんまりくらべ」 『子どもに聞かせる日本の民話』 大川悦生 実業之日本社
「犬と猫とうろこ玉」 『おはなしのろうそく15』 東京子ども図書館
「クラゲとサル」 (出典不明 日本の昔話)
「あぶら取り」 『日本の昔話2したきりすずめ』 おざわとしお再話 福音館書店
「ロバと横笛」 『黒い羊』 アウグスト・モンテロッソ 書肆山田
「くまのしっぽはなぜみじかい」 HPババヤガー語りの森(まもなく公開) 原
話『和泉昔話集』 南要/和泉郷土研究会 村上郁再話
「大工と鬼六」 (出典はいちばんめの「大工と鬼六」に同じ)
そして、新刊絵本の紹介
いつもながら、バラエティーに富んだおはなしの数々です。
「大工と鬼六」は、同じ出典で、語り手のカラーと言いますか、やはり同じ話を
違う人が語ると、チト違うのが、楽しいですね。
ジミーは、絵本紹介が終わると、用事のために逃げるように帰ったんです。
まるで、灰かぶりが王子さまの引き留めるのを振り切って帰るようにです。
誰もそんなことは聞きたくありませんね。
とにかく、お茶の時間にいられなかったのが残念ということであります。
おはなしが聞けただけで満足です。
お菓子とお茶は二の次です。
でも、バレンタインだったし…。
しつこいですね。
失礼いたしました<(_ _)>
ジミー

第3回再話勉強会

ぽんです。
お久しぶりです。ドタバタドタバタと毎日暮らしております。
今、外は大雨。久しぶりのどしゃぶりです。
雨は嫌いなんですけどね、たまには雨もふらなきゃね。
昨日は第3回再話勉強会でした。
第1回の再話勉強会が昨年の4/23。もう、かれこれ10ヶ月がたってしまい
ました。
昨年の10/9が第2回再話勉強会。
やっと3回目にして、勉強会の体裁が整ってきたように思います。
今回やったことは2つ。
1つ目。前回再話してきてヤンさんに見ていただき、みんなで検討し合ったお話
を語って貰い、実際に耳で聞いて確認する。
2つ目。新しいお話を再話してくる。
1つ目。耳で聞いて確認したお話(語り)
〇「だんまりくらべ」 (原題「だんまりくらべ」、出典『貴志の谷昔話集』)
〇「きつねに化かされた若者」 (原題「きつねに化かされた若い衆」、出典
『新装日本の民話6東海・北陸』)
〇「かめの恩返し」 (原題「ぐうずの恩返し」、出典『新装日本の民話11九州
(1)』)
〇「こんな顔」 (原題{こんな顔」、出典『日本の昔話13 紀伊半島の昔話』)
〇「馬盗人」 (原題「源頼信朝臣男頼義射殺馬盗人語第十二」、出典『今昔物
語集』)
2つ目。今回再話してきたお話
〇「はしごそうめん」 (原題「梯子素麺」 出典『丹後伊根の昔話』)
〇「味噌とくそ」 (原題「納豆汁と糞」 出典『丹後伊根の昔話』)
〇「そんなことない」 (原題「そんなことない」 出典『日本の昔話13 紀伊
半島の昔話』)
〇「寝とって食われる」 (原題「寝とって食われる」 出典『日本の昔話13 
紀伊半島の昔話』)
〇「毒きのこ」 (原題「金峰山別当食毒茸不酔語第十八」 出典『今昔物語集』)
〇「久米の仙人」 (原題「久米仙人、始造久米寺語第二十四」 出典『今昔物
語集』)
ねえ、バラエティにとんでるでしょ。落語になってるお話から今昔まで。
古文に全く素養のない私にとって今昔は???まるでうん十年前の古文の授業の
ようでした。古語辞典持ってくれば良かった・・・、と密かに後悔。
これをスラスラ読めるなんて、ホントに尊敬しちゃいます。
今回、再話してもらって、「へえ、今昔物語ってこんなにおもしろいんやあ」と
始めて認識しました。
再話勉強会のメンバーはみなさん語っておられる方ばっかり。ですので、基本的
に再話してきたお話は「人に語る」ことを目的にしています。
実際に聞き手を前に語ってみると、また違ったものが見えてくるかも・・・。
「再話は、語る事によって何度も検討するんよ。これですっかり完成では ない
よ」とはヤン先生のお言葉。本当にそうだと思います。まだまだ、再話経験の少
ない私ですが、それでも、自分(自分たち)で再話したお話を語る 度にどこかし
ら「こうした方が良いのでは」と思うところが出てきます。
再話勉強会の皆さん。再話したお話。どんどん語っていきましょうね。
次回は7月。
今回それぞれが再話してきた6話は、次回”耳で聞いて確認”となります。つま
り、『語り』
そして、また、それぞれが新しく1話ずつ再話してきます。
これからが、楽しみだにゃあ。     byぽん

かしこいモリーとかしこい一年生

月に1度、朝学習で1年生にお話会をしています。って、前に書いたっけ?
4月から聞きつづけて、今年も残すところあと1回。
きょうは事情があって、2クラス合同でした。40人ほどです。

プログラム
「かしこいモリー」 『おはなしのろうそく』東京子ども図書館刊
これだけです。
ろうそくを付けたり消したりするので、これで15分。

「かしこいモリー」はいつどこでやっても集中して聞きますね。
先週は、図書館でやりましたが、たまたま小学生がおらず2〜6歳が9人。
し〜んとまじろぎもせずに聞いていました。

きょうは、し〜んというわけにはいきません。
子どもたち、思わず「えぇっ!」「うわっ!」
わたし「いえいえ来ますわ、もうあと二回」
子ども「笑ー笑ー笑!」
わたし「モリーは橋を渡れましたが、大男は」
子ども「渡れませ〜ん!」
わたし「はい、おしまい」
子ども「ジャックと豆の木と同じやん!」
わたし「おお、ほんまや!」
子ども「けど、髪の毛一本橋がない」
子ども「かわりに豆の木がある!」
わたし「おお、ほんまや!」
子ども「大男は空の上におるねん」
子ども「モリーの大男はどこにおるん?」
わたし「おお、ほんまや!どこやろ」
子ども「子どもが捨てられるの、ヘンゼルとグレーテルといっしょや!」
わたし「おお、ほんまや!」

かしこい1年生たちの話をきいているうちに、チャイムが鳴ったのでした。

byヤン