映画「少女と山猫」📽

『瀬田貞二 子どもの本論文集 児童文学論 上』報告

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第3章書評など
映画評3-三つの短編映画 1957年発表
「少女と山猫」

まずはお断りಥ_ಥ
「少女と山猫」、観たこともなくネットで動画も確認できず、うまく報告できないかもしれません。

「少女と山猫」1956年制作
ハンガリーのアーゴシュトン・コラーニが脚本を書き監督した記録映画。

瀬田先生によると「ハンガリーのおくるすばらしい記録映画だ」そうです。
同じころのドキュメンタリー映画と比較して、
ディズニーの「砂漠は生きている」は、あくどい擬人化的な手法にげんなりするといい、
「緑の魔境」は、例えばピラニアが牛をむさぼり食う場面など、非情な客観性を持つといいます。

どれも観てないです・・・
「砂漠は生きている」というのは、「水鳥の生態」「大自然の片隅」「ビーバーの谷」などの自然の驚異シリーズを長編にきりかえ、自然の冒険シリーズと名づけて発表した第1作だそうです。1953年アカデミー長編記録映画賞受賞。
そういえば、昔、テレビでディズニーの番組があって、ミッキーとかのアニメだけでなくて、自然ドキュメントもあったことをうっすら覚えています。それと関係があるかどうかは不明。
「緑の魔境」は、ジャン・ガスパレ・ナポリターノが製作、南アメリカの東海岸のリオ・デ・ジャネイロから西海岸のリマにいたる12500キロメートルを、特製ジープ2台で6カ月にわたって踏破した記録映画ということです。1953年カンヌ記録映画賞受賞。

こういう、人びとに絶賛された作品を批判して、こちらが良いよという「少女と山猫」観てみたい。

あらすじ(引用)
森林技師の娘カティは、子猫とまちがえて山猫の子を拾って育てる。春、夏、秋、時はゆっくりまわって、冬へ急ぐころ、山猫の子は本能にまざめてカティの手をきずつけてしまった。カティはそっと森へ逃がしてやる。山猫は野性にかえって森のなかでひとり立ちの座をしめていく。

この映画の良さは、
*美しい森の四季と森の様々な生き物の活動
*水の流れるような美しい音楽
*丁寧に叙事詩的に描写される日常

この映画での自然は、擬人化されることもなく、かといって単なる客観描写でもない。
人間と動物が、自然の懐の奥で、境界はありつつ暖かく触れ合っている。それは、東洋的ではないかと瀬田先生は言います。
敵対とか征服とかでない対自然の古い記録」だと。

「少女と山猫」と直接には関係ありませんが、今日は、レイチェル・カーソンの命日だそうです。

自然と人間について考えてみませんか。

大人向けには『沈黙の春』。
子ども向けには『センス・オブ・ワンダー』。

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