月別アーカイブ: 2020年10月

高校生に絵本📖

今年も、高校の保育の授業で、絵本の講義に行ってきましたよ~
いつもは1学期なんだけど、今年はコロナ禍の関係で2学期になりました。

昨日はレクチャーと、何冊か読んで、「読んでもらう体験」をしてもらいました。

レクチャーは、絵本とは芸術である、子どもにはホンモノを提供しなくてはならない、というところから話しました。
絵本っていうのは、物語(文学)と絵画とが一体となったもの。文学も絵画も芸術ですよね。子ども向きだからといって、いいかげんに作ってはいけないし、実際、よい絵本はたくさんありますね。

よい、子どもの文学の条件は、
1、人生を肯定的にとらえていること
2、主人公と一体となって主人公の体験を追体験できる力を持っていること
3、結末が満足できること
これが、幼い子どもの育ちにとって、よい文学の条件だと思うのね。

絵は、物語をより詳しく、豊かに、拡大し、補うものであってほしい。

そんな話をした後で読んだのが、以下の本です。
コロナ対策で机を離して座っているので、いつもの親密感がなくて寂しかったけど。それでも、幼い子と同じようなキラキラした瞳で聞いてくれましたよ。

1、『ぐりとぐら』 なかがわりえこ・おおむらゆりこ 福音館書店
2、『はらぺこあおむし』 エリック・カール作/もりひさし訳 偕成社
3、『おにぎり』 平山栄三 福音館書店
4、『かあさん、だいすき』 シャーロット・ゾロトウ文/シャーロット・ヴォーク絵/松井るり子訳/徳間書店
5、『いない いない ばあ』 松谷みよ子 童心社
6、『ばいばい』 まついのりこ 偕成社
7、『よあけ』 ユリ・シュルヴィッツ作/瀬田貞二訳 福音館書店
8、『とらっくとらっくとらっく』 渡辺茂男文/山本忠敬絵 福音館書店
9、『やさいのおなか』 きうちかつ  福音館書店
10、『もこ もこもこ』 谷川俊太郎文/元永定正絵 文研出版

来週は生徒たちがお好みの一冊を持ってきて、読んでくれます。
楽しみ~~~

 

10月のおはなし会🌰

10月12日(月)
幼稚園4歳児 ラス
ろうそくぱっ
おはなし「三匹のくま」『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』村上再話
ろうそくぱっ

今年度2回目。まだ2回目なのに、なんて上手に楽しそうに聞いてくれるんでしょ。
子どもたち、嬉しくて仕方がないんですね。
わたし「はい、おしまい」
子ども「おもしろかった~」
さようならをした瞬間、ひとりの子が抱きついてきて、それを合図にわらわらと子どもたちが抱きついて来て、窒息しそうになった(@^0^)
あ、コロナやしね、内緒よ。ここだけの話ね(笑)
帰宅後の手洗い洗濯。長く続けるために、がんばろ~

園長先生の、子どもは今を逃してはいけないという時期があるんですという言葉が、心に深くしみこみました。
小学生だって同じだと思うんだけど、学校ではどうして言葉と心の教育は後回しになるんだろう。

10月15日(木)
幼稚園5歳児 1クラスずつ2回
ろうそくぱっ
三枚のお札
ろうそくぱっ

さすが年長さんですね~
きちんと並べた椅子に、おりこうさんにちゃんと座っていました。
小学生みたいやなあと思いました。
それでも後ろの列の子は横から顔を出したり、ちょっと立ち上がったりして、一生懸命見て(聴いて?)いました。
絶対はずさない「三枚のお札」なんだけど、前回が半年ぶりだったし、座り方もソーシャルでスタンスだし、わたしはマスクだし、最初は少し緊張しました。
でも、鬼婆が出現するころには、いつもとおんなじ(^∀^●)
約10分の熱演(笑)を2回は、窒息しそうになった(@^0^)

今月はおはなし会はこれでおしまい。
なんだか寂しいけれど、それでも報告ができるようになって嬉しいな。

 

 

10月初級講座報告

初級講座の報告をさせてもらうことになりました、ウーカーです。

2月以来の会場での初級クラスでした。久しぶりやら、嬉しいやら、緊張するやら、会場設営の新しい様式やらで、個人的に不思議な感じでした。卒業&進級の節目の時期に自粛期間に入ってしまったので、今回は新メンバーを改めて迎え、また、中級クラスの先輩も参加があり、それぞれの思いがある中で静かに始まりました。なんせ、ソーシャル~ですからね、本気のおしゃべりは控えておりました(笑)

 

1.めしを食わないよめさん  『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』語りの森

子供に分かりにくいだろう言葉、「髪をざっくと分けました」の“髪”を“髪の毛”に変えられたそうです。

ヤンさん…聞き言葉としての“かみ”は、紙・髪と判断しにくいので、分かりやすいように変えて、自分の口にのりやすくすると良い。ただし、えてはいけない言葉もある事も分かっておくこと。

普段フェイスシールドを着けて語っているので、今回敢えてマスクで試してみたが、語る声が大きくなってしまった。聞き手はしんどいのでは?大きな声はお話を届ける事ではないと、聞き手の側で思ったそうです。

ヤンさん…自分の声が壁に当たって返ってきて、聞こえる大きさで語る。声の大きさに自分の意識がいくと、語りが一本調子になってしまう。          また、不織布のマスクで、子供たちに語ってみたが、活舌はマスクに邪魔されることはないようなので大丈夫ということが分かった。マスクをしていると顔の表情が見えないので、物語を十分に理解できるのかと思っていたら、思わず手が出て、体を使って大げさにやっていた。子供が体全身で聞いているから、体全身で反応が返ってくる。だからヤンさん自身もそれに応える形となったそうです。マスクを着けていることで、少しだけ言葉にも表情をつけるようにしたそうです。

 

2.鉄のハンス 『語りの森HP』

こちら私です。日常生活のあらゆる場面で本気でぶつぶつ語る練習しかしていなかったことに気づかされました。透明マスクを着けて、長いお話をするのは初めてだったのですが、中盤から口がうまく動かなくて、活舌が悪くなり、集中できず大変でした。テキストを覚えた後、しばらくして寝かして、また起こした形となりました。長い時間をかける事で、おはなしの本質的部分に触れる感覚があり、大事な部分が立ち上がってきたので、その感性だけでやっていたことを反省しました。

ヤンさん…いくつかに大きく分かれるので、全体の構成を考える。この場合だったら、森、城、戦争など。そして、それぞれの場面での、3回の繰り返しの語りで意識することが以下にある。1回目は丁寧に語る。2回目は短くさらっと語る。3回目は余裕を見せつつ、そこに付随している結末を大事に語る。この形をとることで、語りに緩急が生まれる。心の余裕と同時に、宝物を持っていてそれを今から見せるよ~という準備でもって、子供たちに手渡す。長い話は、この3回の繰り返しのリズムを上手に使うと良いとの事でした。手を抜くということも大事で、子供たちが笑うとのこと。ちょっと緩めた後に大事な結末が待っている。

テキストの基本である3回の繰り返しを、生かすも殺すも語り手次第ですね。肝に銘じました。

 

3.ロバの耳をした王子さま 『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』語りの森

家でも本番と同じ状況で練習する必要があると感じたとのこと。寝る前にお子さんに語ると、聞きながら眠り就くそうです。いつもお話しを聞いてくれるお子さんと考えて、「王子様の耳はロバの耳だよ」の、“だよ”を取ることにしたそうです。

ヤンさん…再話するにあたって“だよ”をつけるかどうするか考えた。散髪屋が穴に向かってヒミツを思いっきりしゃべるので、そうしたそうです。その後、葦笛が鳴るのは唱え言葉になるとのこと。

しゃべる、と、となえる。同じ言葉でも、その発語表情の違いは自然と語りで表れますね。

 

4.地獄に行った吉兵衛さん 『語りの森昔話集2ねむりねっこ』語りの森

不謹慎にも聞こえる首吊りを、おもしろい話にしている吉兵衛さん、そこを気に入って選んだそうです。言葉運びが必然的で、イメージするための言葉がそのまま語られていて、その言葉の重要さを感じた。声の大きさで届けようとしてしまうので、通る声を出せるようにしたい。家での練習は一人、マスク無しでしていた。初めてみんなの前で、マスクをして語ったら、マスクがずれることで集中を欠いてしまった。吉兵衛さんの面白さを語りたい、とのことでした。

ヤンさん…落語の話。それにしても、テキストに首吊りというワードが一回しか出てきてないから、まずいわ~(笑)語りについては、文節で言葉が切れてしまっている。大事な所なら切る必要があるが、そうでないなら、その場面が分かるように一文をさーっと切らずに語る方が、聞き手は分かりやすい。そのシーンが見えるように届けることが大事とのことでした。

 

5.なら梨取り  『日本の昔話4おざわとしお再話』 福音館書店

中級クラスの先輩の語りです。4年前に覚えた話で、その時はそんなに好きではなかったが、今回はお話を楽しめたそうです。自分の納得いく言葉に変えたり、取り除いたりして、その変更をして語ったとのこと。(語り・勉強歴が長い方は、変更の善し悪しが自分で分かるのですが、勉強歴浅い方は確認が必要ですよ~)

ヤンさん…後で好きになるって事は、やっぱり選ぶときに何かあるのかもね。テキストでの言葉の細かいところを言うと、梨の木を見つけるシーン、太郎・次郎の時と三郎の時とでは、言葉に違いがある。                   太郎・次郎「あれがなら梨だな」 三郎「これがなら梨だな」

あれ、と、これ、では距離が変わる。三郎には、なら梨の木が近くに見えている。(三兄弟の立つ位置が同じでも、三郎は気持ちが木に近い、と私は解釈しました)これは聞き手にとっても同じであり、三回目の繰り返しの大事な所、とのことでした。

大事な事が分かっていないと、変更は危ういということですし、語法の勉強が本当に大事になってきますね。

 

ヤンさん

手遊び   もどろうもどろう もものはもどろ

      かえろう かえろう かきのはかえろ

おはなし  三匹のくま 『語りの森昔話集4おもちホイコラショ』語りの森

 

ノート式おはなし講座p29「おはなしの練習」

書かれてある事すべてが、そのまんま大事です(笑)。

練習に時間をかける事が子供への愛情、環境・声の大きさなど本番と同じ状態で練習をする、色んな姿・形のお話を語れるようにする…また、淡々と語る、演じないということに基準がないので、自分の中に基準をきっちり作る。

色々な語り方を試す

極端な練習をすることについてですが、この練習によって自分の語りに幅と厚みが出てきます。本番の語りの場で、子供たちが、語り手の語りの表情を自然と引き出してくれる、導いてくれるそうです。子供たちの反応に、語り手が応えることで、子供たちに語りを育ててもらうのだ、ということが私を貫きました!串刺し。  何度も聞かせてもらっている大事な事でしたが、捉え直す機会となりました。

語る場を工夫して作ることなら、自分でもできそうなので考えてみたいと思います。

書きたいことが多くて、聞き取り文、固い文章になってしまいました…。しかも長くて申し訳ないです。宝物がザックザクの講座でした!うまいこと書けるようになるまで、見守ってください~。

よろしくお願いします。

昔話の解釈ー七羽の烏5👩👩👩👩👩

マックス・リュティ『昔話の解釈』を読む

第1章七羽の烏

KHM「七羽のからす」では、妹は、兄さんたちを救うために世界の果てまで旅をし、最後はガラスの山に行きます。
他の類話では、妹にはどんな課題が課されるでしょうか。

KHM9「十二人兄弟」
七年間、口をきいてもいけないし、笑ってもいけない。

KHM49「六羽の白鳥」
六年間、口をきいてもいけないし、笑ってもいけない。そして、その間にエゾギクで兄さんたちのシャツを六枚縫わなければならない。

アンデルセン「野の白鳥」
11人の兄さんたちのために、教会の墓地に生えているイラクサでシャツを編まなくてはならない。その間、口をきいてもいけないし、笑ってもいけない。
うう。墓地は怖いし、イラクサはトゲトゲで痛いよ。手は傷だらけ(⓿_⓿)

「野の白鳥」は、アンデルセンの創作だけど、昔話に基づいて書かれたものです。

昔話は、極端に語るという性質があるけれど、これらの類話をみると、競い合って極端化しているみたいね。条件がどんどんきつくなっている(笑)

「口をきかない」という課題については、ふたつのことが言えると、リュティさんはいいます。
1、がまんしたりあきらめたりする力と意志を象徴している。
なるほど~
2、葛藤の芽をはらんだモティーフである。
がんとして口をきかないから、疑いをかけられても中傷されても、すべて受け入れないといけないんですね。口をきかないから妹は火あぶりにされる。葛藤の芽をはらんでいる。
昔話は、モティーフのつながりによってストーリーが作られます。口をきかないことが、ストーリーを前に進めています。

ところで、王の妻になった妹は、義母(魔女)の中傷で、火あぶりにされることになります。刑場に引き出される馬車の中でも、妹はシャツを編み続けます。火あぶりになる瞬間、シャツが編みあがり(もしくは最後の六or七年が過ぎ去り)白鳥たちが飛んでくる。
このクライマックスの描き方について、リュティさんは、グリムもアンデルセンもとっても感傷的(センチメンタル)だと批判しています。
本来の口伝えの昔話では、もっと簡潔で力強いといいます。

ここでリュティさんは、ドイツのフェーマルン島に住むエンマ・ベントさんの語りを引用して、グリムやアンデルセンと比較しています。
めっちゃ面白いんだけど、長くなるので、次回にまわします。

はい、ここまで。

****************

一昨日は、HP更新。
絵本のこみちと外国の昔話、見てね~

昨日は、今年度最初の初級クラス勉強会。
メンバーによる報告があるので、ちょっと待ってくださいね(。・∀・)ノ゙

 

 

ハイジ⛺

中村桂子さんの『「ふつうの女の子」のちから』(2018年/集英社クリエイティブ)を読んでたらね、ハイジについて書かれてたの。
そういえば『ハイジ』はちゃんと読んでなかったって気がついて、読んだ。

子どものとき家になかったから、きっとどこかで借りて読んだんだろう。
なんども読んだ作品は、登場人物や風景が見えるんだけど、ストーリーしか覚えてなかったからね。

ヨハンナ・シュピリ作/上田真而子訳/岩波少年文庫/2003年

涙、涙。
久しぶりに号泣したよ。
ストレスも発散した(笑)

わたし、小学生のとき、読書感想文が嫌いでね、提出しなかった。
いや、書かなかった。
感動すると書けないもの。書きたくないもの。
だから、いま、『ハイジ』の感想書かない!

ふたつだけ。
人の心のほんとうのあり様は、美しいのだということ。
アルムの自然の美しさは、映像では分からない、ヨハンナ・シュピリの筆による描写が最高だっていうこと。

みなさん、ぜひ読んでみて。
高学年以上の子どもをお持ちの方は、寝る前に読んであげて。
親子で感動するの、いいと思う。

ヨハンナ・シュピリ(1827-)は、スイスのヒルツェルという小さな村で、生まれます。父親は医者、母親は牧師の娘です。
44歳ごろから小説を書き始め、『ハイジ』は53~4歳のとき世に出ました。74歳で亡くなるまで子どもの本や小説を書き続けたそうです。