おはなしが育つ  byヤン

今話題の塩レモン。ではなくて「馬方やまんば」。
出典を書いておきますので、みなさん是非読んで、語ってくださいね。
  『日本の昔話5 ねずみのもちつき』小澤俊夫再話/福音館書店刊
さてさて。
ぽんちゃんが書いてた「語り手が語った以上に聞き手が聞いてしまう」とは
ちょっと違うかもしれないけど。
語り手の思っていたのと全く違った聞き方を、子どもたちがすることはしょっ
ちゅうあります。
例えば、≪外国のおはなし≫のページに載せている「かきねの戸」。兄妹がかきね
の戸を外して出かけるところで、聞き手の子どもたちはこの話が笑い 話だとわ
かるのですが、それでも森で迷子になるあたりから子どもたちは恐くて緊張しま
す。それが私には意外でした。わたしは、あくまでもちょっと した笑い話とし
て語っているからです。
木の上にいると泥棒がやってきて、子どもたちの緊張はさらに高まって、息をつ
めて聞きます。だからこそ、「おしっこ」「うんこ」で緊張が緩和し て、ド
カッと笑うんですね。桂枝雀さんの落語の理論とおんなじや〜って気がつきました。
それから、兄妹がどろぼうたちの置いていったお金をみんな持って帰るところ、
「悪〜っ」って言った子どもたちがいたのです。これも意外でした。な んて正
義感が強いんだろうと思いました。そう、たとえどろぼうがおいていったもので
も持って帰ったらどろぼうになるのです。ところが、それを知っ たお母さんが
大喜びしたっていうところで、子どもたち、笑ったんです。このユーモア感覚、
すごいと思いません?
最後、そのお金で一生楽に暮らしましたっていうと、「ああよかった〜」と大満
足でした。昔話の主人公の幸せ、富の獲得と身の安全で、めでたしめで たし。
わたしにとってはほんのおまけの話だったのに、子どもたちのおかげで実のある
しっかりした、上質な笑いを引き出す話になりました。
わたしのレパートリーはみんな、このような経験の上に出来上がったものばかり
です。
子どもたちに語ることでおはなしは育つと思っています。
だから、いつも、こどもたちに語るとき、「これどお?」って気持ちでお話を差
し出します。そうすると、子どもたちは、「こうやで」って返してくれ る。毎
回、それが楽しみなんです。
あ、≪外国のおはなし≫のページの「かきねの戸」に、音声つけますね。子どもの
声をようく聞いてください。わたしの声は聞かんでもいいですから ね〜(笑)
さてクリスマス、わたしはさっきサンタさんからプレゼントもらいましたよ。
なにをって?
教えてあげへ〜ん。                ヤン

10 thoughts on “おはなしが育つ  byヤン

  1. 日常語の勉強するようになって、ますます、子どもとのおはなしのひと時が楽しくなってきました。
    日常語で学んだ、子どもと息を合わせて楽しさを共有する事や、子どもからいろいろな事を受け取る事が、前よりもっと出来るようになってきた気がします。
    先日初めて日常語で「どっこいしょ」を語りました。私の普段からのおしゃべりにも慣れている!と思いヤンさんのもとで練習した「どっこいしょ」を語りました。
    私 「短いはなし語るで~」
    子ども (なになに)
    私 「みんな、嫁さんの実家ってわかる?」
    子ども 「知ってる~!お母さんのおばあちゃんがおるとこ!」
    私 「そうそう。みんなよー知ってんねんねぇ。じゃあ、はじめるわな。」
    私 「どっこいしょ」
    子ども くすっ
    私 「…婿さん、これ忘れたらあかん思うて、帰る道みちずっーと、どっこいしょ~どっこいしょ~どっこいしょ~て唱えながら歩いて帰ってん」
    ーこの時途中からYくんらが一緒に体揺らしてどっこいしょ

  2. 続き
    一緒に体揺らして どっこいしょ~て唱えてくれたので、どっこいしょ~が2回位増えました。
    私 「すりこぎで嫁さんの頭、カチーンて、たたいてん」
    子ども 「すりこぎってなに?」
    私 「すりつぶす時に使う(動作しながら)この棒」
    子ども「あぁ~」(それで?)
    私 「カチーンて、たたいてん。ほんなら嫁さん、いった~!なにすんねん!見てみ~!だんごみたいなこぶできたやんかー!」
    子ども 「それや!だんごやん!」
    先に言われてしまいましたが、みんなで一緒に笑いました。
    すごく楽しかったです。
    まだまだ書きたいことある
    ごぶジロー

  3. さっきの、どっこいしょ を語ったのは土曜日の小学校。いつもは低学年が多いので、絵本をたくさん用意していたのですが、その日は4年生の男の子3人、5年生の女の子4人の7人。小さい頃からよ~く知ってる兄妹を含め、顔見知りの子ばかり。初めて日常語で語るにはとても良いのでは!と思い、語りました。
    本当に楽しい、ひと時でした。
    これに気をよくして、同じ小学校3年生2クラスにも語りました。
    ここも毎月おはなし会をしている、よく知っているとこです。
    初めて日常語で語ったので、はじめは少し驚いていたようでしたが、すぐにおはなしに入って来てくれました。「だんご、だんご、だんご」と唱えながら歩くと笑い、(忘れたらあかん事を唱えながら歩いた経験があるのね。おばちゃんもしょっちゅうよ)それが「どっこいしょ~どっこいしょ~」に変わると大笑い、嫁さんに「はよ、どっこいしょ作ってぇな」言うたら「どっこいしょちゃうやん~!そんなもんないし~!」言うて笑い、嫁さんが「どっこいしょなんか私知らんで」言うたら「そらそうや~!」言うて大笑いし、「だんごみたいなこぶできたやんかー!」言うたら「それやーん︎」て先に言うて大笑い。
    あぁ~~楽しかった!
    ごぶジロー

  4. ごぶジローさん
    臨場感あふれるコメントをありがとうございました(笑)
    お話って楽しいですね~ 子どもって素敵です。    
    また経験談教えてくださいね。         ヤン

  5. 「かきねの戸」、さっそく覚えました。
    ヤンさんから 三度、聞かせてもらってたので
    語りたいなあと思っていました。
    このお話、覚えやすかったなと思います。きっと再話がいいのでしょうね。
    ありがとうございます。

  6. まだ、書きたい事があった!
    聞いて下さ~い!
    先日、こちらも毎月おはなし会にいってる幼稚園での事。(年長さん)
    「おいしいおかゆ」を語りました。
    今時の5才の子ども達「ひもじい」って感覚わかるのかなぁ?って心配しながら、聞かれた時には答えられるように言葉を用意していきました。
    私「それからは…ひもじい思いをすることはなくなりました」
    子ども 「ひもじい…」ざわっ
    私 「ひもじいっていうはね…」
    子ども 「知ってる~!!」
    私 「え?知ってるの?ひもじいってわかる?」
    子ども 「わかる~!妖怪ウォッチにでてくるもん~!」
    私 「そうなんや~、もしかしていつもおなか空かせてる?」
    子ども「そうやで~!」
    …あかん、これ以上話してたら、おいしいおかゆじゃなくて妖怪ウォッチになってまう…
    私「じゃあ、わかるんやぁ。そいでな、女の子とお母さんはひもじい思いをすることはなくなってん。…」
    「おなべのふちからどんどんあふれだしました」
    子ども「えぇーー!」
    私「台所がおかゆでいっぱいになり」
    子ども「えぇーー!」
    私「家中がおかゆでいっぱいになり」
    子ども「えぇーー!」
    私「となりの家がおかゆでいっぱいになり」
    子ども「えぇーーーー︎」
    私「家の前の道までおかゆでいっぱいになりましたが、、、」
    子ども「えぇーーーーー︎」
    …途中から子ども達、ニコニコまわりを見ながら、みんなで声を合わせて「えぇーーー︎」とやってくれるので、私も一緒に笑ってしまいました。
    「ひもじい」で、思いました。
    子ども達が興味を持っている事を、私も興味を持って知っておこう~って!
    ポケモンをあっという間に抜き去って今の子達、みぃ~んな妖怪ウォッチ大好きなんですよね~
    何度も長文すみません!
    ごぶジロー

  7. ふふふっ。
    ごぶジローさま。
    「どっこいしょ」の話、「おいしいおかゆ」の話、
    どちらも、また日常語勉強会で皆さんに報告して下さいね。
    ぽん

  8. ぽんさん、了解です~
    それと、前にぽんさん、クリスマスのこの時期、どんな絵本を読んでますか?って書かれてましたよね~?
    私は『ハリネズミと金貨』を気に入っていつも12月のおはなし会で読んでます。この間も「どっこいしょ」を語った後に3年生に読みました。クリスマスって言葉は全然出てこないんですけど、この本、まるでクリスマスプレゼントをもらったみたいなあったか~~い気持ちになるんです。子ども達にもちゃんと伝わるみたいで、どっこいしょで盛り上がってわちゃわちゃしてたのに、おはなしが進むにつれ、みんなしぃーんとなって、最後はほっこりした顔で暖かい拍手してくれるんです。毎年どこかで読んでますが、いつもこんな素敵な感じになります。大好きな本のひとつです。
    あとは、おつまみ的に、低学年、幼稚園なら、定番ですが、『こふたたぬききつねねこ』去年幼稚園で読んだら、私の後に声を揃えてぜーんぶ復唱してどんどん声がデカくなっていって笑ってしまいました。
    もひとつ、しりとりで『トトトのトナカイさん』はどの学年でも楽しいです。「ヒョー」のとこで大ウケ。
    私は、おはなしも絵本も子どもとのコミュニケーションツールのひとつだと思っているので、主食となる絵本だけでなく、おつまみや駄菓子的なものもよく使います。えへへ
    先日、ヤンさんが紹介して下さった『オオカミだぁ~』も子どもと読んだら楽しそ~!と思って目論んでいます。同じテの本で『おばけとかくれんぼ』も1年生で読んだらめちゃくちゃ楽しかったですよ~。みぃ~んなどんどん前に出てきちゃったけど(^_^)
    ごぶジロー

  9. またまたまたごぶジローさん
    ぽんです。
    クリスマスの本の紹介、ありがとう。
    また、図書館で借りて見てみます。
    お話会のプログラムって難しいですよね。
    お話を選んで組み合わせるのもですが、絵本も難しい。
    絵本、何を選ぶかによって、お話会の雰囲気自体も変わってくるしね。
    悩んでばかりです。

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