月別アーカイブ: 2016年10月

おはなし会ふたつ

2年生 1クラス45分×2回 ふたりで担当

テーマは・・物語を楽しむ・・

おはなし「三枚の鳥の羽根」『語るためのグリム童話』小澤俊夫監訳/小峰書店
おはなし「金太やんと銀太やん」『語りつぎたい日本の昔話1』小澤俊夫監修/小峰書店
手遊び よもぎだんご
おはなし「おどるがいこつ」『日本の昔話1』おざわとしお再話/福音館書店
おはなし「はらぺこピエトリン」『子どもに語るイタリアの昔話』剣持弘子訳/こぐま社

ブックトークはアーノルド・ローベル

この子たちは1年生のとき、毎月1回、朝学習でお話を聞いていました。
2年生の1学期は、はじめて45分、長時間のおはなし会でした。それで、思ったほどはよく楽しめなかったようです。
それを気にしながらの2学期でした。
聞きましたよ~♡
聞く耳が育っていて、よかった、よかった!

4年生 1クラス45分×2回 一人で担当

テーマは「きつね」

おはなし「まほうの鏡」 語りの森《外国の昔話》→こちら
おはなし「おおかみときつね」 『語るためのグリム童話』小澤俊夫監訳/小峰書店
おはなし「狐の玉のとりあい」 『日本の昔話1』おざわとしお再話/福音館書店
手遊び どんぐりころちゃん
おはなし「九尾のきつね」 語りの森≪外国の昔話≫→こちら

ブックトークは新美南吉の作品をよもう。
子どもたち、慣れたもので、おはなし会が終わると、さっと前に出てきて手分けして、お気に入りの本を教室に持ってかえりました。

今学期から、学校図書館司書の先生が、ブックトークで紹介した本をプリントにして、子どもたちに配ってくれています。
子どもたちに読書を!という先生がたの熱意に、少しでもお役に立てたらうれしいなあ~~~

ヤン

ようやく縄文時代

おはなし全然関係ないのですが、我が子が突然、

「矢じりを作りたい」

と言い出しまして、そこらで拾ってきた石同士を打ち付けて加工し始めました。

 

もともと歴史が好きなようで、一時期、武将がどうの、なんとかの乱がどうのと騒いでいたのですが、一気に時代を遡った!と驚きながら好きにさせておりました。

水泳ゴーグルつけて、マスクを何重にもつけてじん肺対策もバッチリ。

面白すぎる(*´艸`*)

そうしてほっておいたら、つい先日、

 

「あんな、土器作ってみたいねん」

と言い出しました。

あ、彼のなかで時代が進んだと感じました。

そのうちベランダでバケツに水をはり、稲作を始めたら楽しいなぁ。

第4回 昔話の語法勉強会に行ってきました。

2016年10月25日、そぼふる雨の中、昔話の語法勉強会に行ってまいりました。

昔話の語法を勉強するのが初めてという方も多数いらっしゃいました。
毎回ひとつの昔話を題材に、細かくどんな語法が使われているのかな、と確認していきます。

ちなみに事前学習として

『こんにちは、昔話です』(小澤俊夫著 小澤昔ばなし研究所刊)
『昔話の語法』(小澤俊夫著 福音館書店刊)

に目を通していきました。

さて、講座のレポートですが。

今回の題材は、

「ちくりんぼう」(『雪の夜に語り継ぐ』笠原政雄 福音館書店)

この昔話は、『日本の昔話5ねずみのもちつき』(小澤俊夫再話 福音館書店)に収録されている「三枚のお札」の原話です。

まずは、「ちくりんぼう」を語ってくださいました。

「語法に気をつけて聴いておいてください」

と言われたのに、本気で楽しんで聴いてしまいました(;´∀`)アハハ

語ってくださったのは、「三枚のお札」を日常語に直したお話です。

そして、段落に分けた原話の「ちくりんぼう」を

「どんな語法が隠れているのかな~♪」とひとつひとつ確認していきます。

そしたらば、出るわ、出るわ。花咲じいの宝のようにざっくざっくと。

発端句から始まり、時代・場所・人物を不特定に語る固定性

「あるお寺の方丈が小僧にね、」と不特定に語っているのに頭に浮かぶのは、ひとつのお寺と、一人の和尚さんと、一人の小僧さんの姿。
背景も、複数いるであろう小僧さんの姿も頭には浮かびません。(昔話の孤立性

冬木を取りに行ってこいと、三枚のお札を渡され、一人で山にいく小僧さん。(三という数字=固定性、一人で出かける=孤立性
まさに外的刺激を受けて一人で旅に出るのです。

お札から出るのは針の山(昔話は硬いものを好む)、火の山(昔話は原色を好む。火=赤)

一度に会話しているのは方丈さんと小僧さんだけ。(昔話の場面は一対一で構成される

ほんの数行の間にこれでもかと出てきます。そのたびに他の昔話でも具体的な例を挙げていただき、「ふむふむ、なるほど」と理解は深まります。
確かに「かしこいモリー」も幸せ(結婚)と引き換えに王様に取引を持ち掛けられて一人で旅に出ます。指輪や剣など硬いものを取ってきますね。
姉妹も三人だし、王様の息子も三人だわ。|д゚)

この場合の旅とは旅行ではなくて、主人公の内面、精神的な成長を促す試練への旅路であり、主人公の意思は関係なく行かされてしまうところが、この先のストーリーを期待してワクワクと期待感を煽られてしまうんですよね。

ストーリーは主人公の幸せな結末に向かって一直線に進みます。幸せになるとわかっているから安心して聴き手も一緒に主人公になりきって冒険できる安心感。
耳で聴いて理解しやすい一対一の場面。
日の暮れた山で途方にくれても灯りや小屋は見つかる安心感。
「鬼ばばが出るぞ」と言われたら本当に出てくる満足感。
異界の生き物とも会話が成り立つ楽しさと分かりやすさ。
楽しい三度の繰り返し。
面白くてわかりやすい極端な表現。
ピンチの時にはすぐに出てきてくれる火の山、針の山のお助けアイテム。
ギリギリのところでタイミングよく危険を回避しながら進むスピード感のあるストーリー展開。
間抜けな鬼ばばは最後には必ず退治される満足感。

あれ? 昔話の語法って聴き手が昔話に期待するところそのものじゃない?

それもそのはず、語り手の聴き手への深い愛情が、聴き手の求めるものに応えるように語られてきたことで、この形式、つまり語法が出来上がったのですよ!
その愛情は世界共通なんですよ!
これこそリューティさん曰くの「昔話の形式意志」!(だと思う)

それでですね、『昔話の語法』(小澤俊夫著 福音館書店)の冒頭に戻るわけですよ。引用しますとね、

「昔話はどこにありますか」

この言葉の意味に気付いたときにぞわっと鳥肌が立ちました。(;゚Д゚)
この言葉を語法のテキストの最初にもってきた小澤先生さすがだなぁ。深いなぁ。

伝承の語り手ではない私たちは、研究者さんたちが掘り出してきてくれた昔話資料を訳者や再話者を通したテキストから語るしかないのですが、実際聴き手の前で語るのは私たちですからね。
その場、『昔話』を一時共有する目の前にいる人たちのために愛情をこめて語りたいですよね。
というわけで、より理解を深めるためにこれからも精進しましょう!

次回の第5回昔話の語法勉強会は2017年2月17日だそうです。

最後に今回の講座で紹介された本です。
『こんにちは、昔話です』小澤俊夫著 小澤昔ばなし研究所
『昔話とは何か 改訂』小澤俊夫著 小澤昔ばなし研究所
『昔話の語法』小澤俊夫著 福音館書店刊
『ヨーロッパの昔話 その形式と本質』マックス・リューティ著 小澤俊夫訳 岩崎美術社
『昔話 その美学と人間像』マックス・リューティ著 小澤俊夫訳 岩波書店
『昔話の本質 むかしむかしのあるところに』マックス・リューティ著 野沢 泫訳 福音館書店 絶版 1985
『昔話の解釈 今でもやっぱり生きている』マックス・リューティ著 野沢 泫訳 福音館書店 絶版 1982
『昔話の本質と解釈』マックス・リューティ著 野沢 泫訳 福音館書店 1996

蒜山高原   コミュニティーバス編 

なんか忘れてるなあ。
そうや、真庭市のやってるコミュニティーバスのことやった~

じつは、自転車での怪我が七割がた治った時点で風邪ひいちゃって、おはなし会三つもキャンセルして、めちゃ落ちこんでて、やっと今怪我も風邪も八割がたよくなったとこです。
それで、あのうるわしき蒜山高原のこと、思い出した次第。

真庭市が、住民のためのバスを運行しててね、蒜山高原から中国勝山まで乗ってきたのです。img_0708
だいたい1時間半の旅。たった200円!

写真は勝山の旭川からの風景。
まんなかに見えてるのは、酒蔵の煙突です。

勝山はこじんまりした落ち着いた城下町でした。
一時間ほどゆったりと散策。
JR勝山駅の近くに、喫茶店。
シフォンケーキがおいしかったよ。

それと、200年以上続くお菓子の老舗「古見屋羊羹」の田舎羊羹、絶品。
有名なのは「高瀬舟羊羹」なんだけど、わたしは、ちょっと固い田舎羊羹がおいしかった。

旭川は、源流が蒜山にあって~って、書きましたよね。
電車や自動車のない時代は、船がいちばん速い交通手段だったんですよ。牛馬よりも。荷物も大量に運べるしね。
で、川。
高瀬舟って、京都だけじゃないのです。img_0709
小型の船で、日本全国にあったの。
中国山地から瀬戸内海へと山間地を流れる川では、小型の高瀬舟が活躍してたんやね。

写真は、その港。船着き場です。
橋の上にヤンがいる。

山あいの集落をめぐって走るコミュニティーバスの旅、いいですよ。
土地のおばさんたちのおしゃべりは暖かい土地の言葉だし。
景色はいいし。
とちゅう、湯原温泉を通るし~

蒜山高原をぬけたところに、魅惑的な風景を見つけました。
ただ低い山と田畑と道があるだけなんだけど、胸がしめつけられるような郷愁。
来年はあそこへ行こう。

ヤン

再話勉強会のご報告です(^^♪

10月14日(金)、再話勉強会が行われました。
前回7月に再話した話の語りと、今回あらたに再話してきたテキストの検討です。
今回も、各人・各グループ渾身の作が並びました。

語り
「ねずみのよめいり」 『日本の昔話13紀伊半島の昔話』日本放送出版協会
「いり豆こわい」 『新装日本の民話7近畿』ぎょうせい
「久米の仙人」 『新日本古典文学大系35今昔物語集三』岩波書店

テキスト
「信濃の国の聖の事」 『新編日本古典文学全集50』小学館
「熊おやじと狐」 『世界の民話37シベリア東部』ぎょうせい
「きつねとたぬきの化かしっこ」新装日本の民話6東北・北陸』ぎょうせい
「いり豆こわい」 『新装日本の民話7近畿』ぎょうせい
「お月さんとお日さんとかみなりさん」 『丹後の民話第一集』峰山孔版社
「水晶の山」 『アファナーシェフ ロシア民話集』(上) 岩波書店

「いり豆こわい」が語りとテキストの両方にあるのは、グループが違うからです。
同じ原話をふたつのグループがそれぞれ再話した場合、お話の筋は同じでもテキストは全く同じではない、というのをこの話で実際目の当たりにし、勉強になりました。
それに、筋は同じでも再話者が違うと微妙に違う言い回しといいますか、点と丸のまえの文の少しの違いで、再話している人たちの雰囲気が出るんだなと、再話の面白さを感じました。
同時に、再話の怖さでもありますね。
変えるつもりはなくても、おはなしの持つメッセージとか文章の意味を知らないうちに変えてしまう未熟さを自分に感じるからです。
let’s 精進!

私は、「水晶の山」を出しました。
ヤンさんに、補う言葉を指摘していただき、すっきりわかるテキストになりました。
すこし、補う…。
このすこしが、家で再話しているときに全く出てこない。
これも、let’s 精進!

それにしましても、みなさんステキなグループ名を考えてきておられて、テキストに記入しておられます。
え! いつのまに、そういうことになったの?
そのうえ、どれも「かわいい」「すてき」「みやび~」と思ういいのばかり。
大変出遅れた感じの私は、みんなのステキさに対抗するために(対抗する必要はないのだけれど)、次回からジュリエットとかエカテリーナとかにしようかな!(^^)!
(それは、芸名だよ…)
let’s 精進!