月別アーカイブ: 2017年9月

9月 おはなし初級講座

日中はまだまだ暑い日が続きますが、朝晩は涼しくなってきましたね。
一雨降るごとに、台風が過ぎるごとに秋が深まるように感じます。
さて、先日9月のおはなし初級講座がありました。

語りは3話。
「メケー・ドマ」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』(村上郁 再話、語りの森)
「半分のにわとり」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』(村上郁 再話、語りの森)
「心臓がからだの中にない巨人」『おはなしのろうそく22』(東京子ども図書館)

「メケー・ドマ」
 「メケー・ドマ」はブータンの昔話です。畑仕事ができなくなり山小屋にこもって暮らしている両親のもとへ、メケー・ドマという名の女の子が毎月食べ物などを運びます。ある日、ドマが重い荷物を担いで山道を登っていると、イノシシとサルとヒョウに出会います。イノシシとサルとヒョウはドマを食べようとしますが、機転を利かせ、荷物を無事母親に届けます。
ドマの親への愛情、機転を利かせる賢さ、援助者に助けられて怖いものから逃げる方法を学ぶこと。子どもたちはドマになって、共感したり、ドキドキしたり、ハッとしたりするのでしょう。高学年は客観的にドマがどうやって危機を乗り越えるのかな、といった聴き方をするのでしょうか。
後半はリズミカルに、とのアドバイスがありました。

「半分のにわとり」
 おはなしは最初の設定をしっかり頭に入れさせるのが大事です。
 このお話はフランスの昔話です。二人の女の人が、よく似たにわとりをそれぞれ一羽ずつ飼っていて、ある日一羽がいなくなります。
二人の女の人は残ったにわとりを自分のにわとりだと言い張って喧嘩します。どちらもにわとりを飼いたかったので半分に分けて飼うことにしたというこの最初の設定を理解するには、ちょっと読解力がいりますね。喧嘩して大岡裁きのように引っ張り合いの末、引き裂いて半分にしたわけではなく(越前さまのおかげで元ネタの子どもは引き裂かれは免れています)、半分こにすることで和解したというようなニュアンスです。
少しの間違いで意味が変わってきますので、意味を考えながらテキストを正確に覚えましょうというアドバイスがありました。
 半分になったにわとりのお尻を鳥たちやオオカミや池が出入りするナンセンスを楽しむお話だと感じました。

「心臓がからだの中にない巨人」
 このお話はノルウェーの昔話です。ぼんやり屋の末王子エスペンが、援助者たちの助言に従って6人のお兄さんたちと、お兄さんたちのお嫁さんと巨人のお城にいたお姫様を助けて幸せになるお話です。ぼんやりで役立たずの末王子をみんな、あからさまに疎むわけでもなく、エスペンにも花嫁を探してきてやるよ~と出ていくお兄さんたちに優しいなぁと思いました。結局はエスペンのことは忘れられて6人のお姫様を連れて帰る途中に石にされてしまうのですが。
 主人公のエスペンの人間性、巨人のキャラクターをよくよくイメージして、ラスト、石にされた兄さんたちを元に戻させた後、今度こそ巨人の心臓を握りつぶすエスペンが悪者に聞こえないように語りたいですね。

 最後にヤンさんが「アリョーヌシカとイワーヌシカ」を語ってくださいました。
 姉弟ふたりになって、アリョーヌシカ自身も不安に駆られながら、イワーヌシカに対してしっかりとお姉さんの顔をしているアリョーヌシカがいじらしい。アリョーヌシカが魔女の罠にはまって水底に沈められ、ヤギになったイワーヌシカが姉を思って側を離れない姿が切なくも姉弟愛を感じました。イワーヌシカの不安そうな切羽詰まった声と、アリョーヌシカが水底から答える声に、ゆらりと着物を水の流れに揺らめかせながらうつろに水面を見上げて弟を見つめるアリョーヌシカとヤギの姿で水底に目をこらしながら涙をこぼすイワーヌシカのイメージが浮かびました。想像させる間がどこにとられていたか、予想させる間がどこにとられていたか、みなさん分かりましたか?
 私はすっかり物語の世界に入り込んでしまって、そんな余裕はなかったような気がしますが…聴いている最中は確かにイメージしながら色々想像したり予想していたりさせられていたような気がします。
 ヤンさんありがとうございました。
 
 

 

 

9月 日常語で語るための勉強会

またまた今日は暑いですね。犬の散歩で汗だくになりました。

こう寒暖差が激しいと体調を崩します。皆さまお気を付け下さいね。

9月5日に日常語で語るための勉強会がありましたのでご報告致しまする。

 

<語り>

へびのむこさん」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁 再話

本の紹介こちら→https://katarinomori13.com/itiba.html

「へびのむこさん」は、話型 へび婿 です。これにはたくさんの類話がありますので、通観インデックスを見てみましょう。今回の「へびのむこさん」の前半は へびのむこさん、後半に うばっ皮 のおはなしがくっついているようなおはなしです。へび婿 の類話には前半だけのもの、後半に他の色んなおはなしがくっついているものなど、とてもたくさんあるそうです。類話を調べることで、語り方も違ってきます。今回はタイトルこそ「へびのむこさん」ですが、後半の「うばっ皮」のおはなしの部分の方が大事です。語る時には、前半と後半の間でしっかり<間>をとって、イメージできるように語りましょう、とヤンさんよりアドバイスがありました。

 

<テキスト>

広岡の腰痛地蔵」 『ナーミンのためのテキスト』

日本のおはなしは短いおはなしが多いです。このおはなしもとても短く、語る際にはしっかり自分の中に落とし込んでからでないと、とても難しいとのことです。語る目線の統一、おばあさんの辛さ(二重苦)の解釈について、話題になりました。

 

半分のにわとり」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁 再話

本の紹介こちら→https://katarinomori13.com/itiba.html

「半分のにわとり」フランスのおはなしです。前回に続き2回目のテキストチャレンジです。前回は複数形の言い方に悩まれていましたが、しっくり落ち着き、ほぼ完成です。笑い話なので、日常語で語ってもらえるの、楽しみです。

 

聞き耳」 『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁 再話

本の紹介こちら→https://katarinomori13.com/itiba.html

鯛を助けた男が、海の竜宮 ネリヤ に招かれ、宝物をもらってかえります。この前半部分は「浦島太郎」のようです。「浦島太郎」は好きなおはなしですが、最後がハッピーエンドではなく哀愁漂う感じなので、私は幼い子どもに語れないなぁと残念に思っていました。この「聞き耳」なら前半で「浦島太郎」の雰囲気を語れるし、後半の「聞き耳」がハッピーエンドなので子どもに語れる!と1人でほくそ笑んでおりました。「へびのむこさん」同様、前半と後半の間でしっかりとイメージをつくれるように<間>が必要ですね。

 

ねずみの婿取り」 『日本の昔話5』 福音館書店

会話が多く、場面展開が お日さま・雲・風・壁・ねずみ とどんどん変わるおはなしです。今回は会話の部分を触ってはいけないと思われたため、そのままだったので、後半が硬く、違和感が出てしまいました。再度、自然な日常語になるようにチャレンジです。接続詞も取ってみましょう~

 

さてさて、本日は全部で5話のおはなしについて検討されましたが、3話の出典が

『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』からでした!(*^_^*)(*^_^*)(*^_^*)

『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』には村上郁さん再話の語れる・語りやすい・語りたいおはなしがたくさん入っているので、まだ手に取られていない方は、数に限りがございます、ぜひお早めにどうぞ。

本の紹介こちら→https://katarinomori13.com/itiba.html

 

まだまだ暑いです。汗だくだくです。

(私だけですか?年のせいですか?更年期ですか?)

また来月よろしくお願い致します。

かぶ~ぶ

 

👟の左右どころか

あれは何日前のことだろうか。
図書館のお話会の準備中のことだった。
ジミーがいった。
「それ、裏むけちゃいますか?」
裏むけや。タグが外についている服は、私は持っていない。
その場で着直した。

きのうのことだ。
幼稚園のお話会に出かけた。
道を歩いていて、気がついた。
服、裏むけや。
その場で着直す勇気はなかった。
走ってかえった。

その夕方のことだ。
近くのスーパーに買い物に出かけた。
首が苦しい。
前後ろ、反対や。
その場で着直す勇気はなかった。
スーパーのトイレに駆け込んだ。

あ~あ。

9月の中級講座

朝晩涼しくなり、秋かな~、と思っていたら、今日まだ暑かったですね。
9月8日は、中級講座でした。優秀なメンバーが増え、
ペーペーの私にとっては、いまだに緊張の日々が続いています。
どうぞどうぞ今後ともよろしくお願いいたします!
今日のレポートは、
「お百姓と地主」『語りの森昔話集1おんちょろちょろ』 村上郁 再話 語りの森
語りが、
「妖精の女王からのおくりもの」 『島めぐりイギリスのむかしばなし』
 アイリーン・コルウェル 新読書社
午後は、呪的逃走の続き「皮っ子」、というメニューでした。

アイリーン・コルウェルさんの『島めぐりイギリスのおはなし』は
中央図書館にもあり、パラパラと読んではいましたが、
語りできくと、とってもヨーロッパの香りのするステキなおはなしでした。
このおはなしには、「アランの島のはなし」とまず最初に記されていて、
もともとその島に伝わる伝説だろう、とのご指摘。
主人公のおばさんが、カエルのすがたになる女王を疑問に思ったり、
高い塀が行く手を阻むと、
「まさか、あれをとびこえようっていうんじゃなかろうね?」
と、何事も当然の出来事として受け入れない。
これは、昔話にはないこと。
昔話としてきいている子どもは、
「あれっ?」と思うと離れてしまうかもしれない。
さらに、「妖精」が土台にないところで、それをはどうわからせるのか?
やっぱり、おはなしの前に、「~に伝わっているおはなし」
と言って語る方が、子どもは入りやすいということです。
普段昔話ばかり語っているから、
いざ、伝説を語るとなると、語り方って難しそう。
テキストも伝説の形式であるわけだし。
でも、コルウェルさん語ってたのでしょうねぇ。聞いてみたかったなぁ。

「お百姓と地主」は『世界のメルヒェン図書館』の
「動物の恩返し」を語っていたものの覚えなおしです。
絶版になっていて、あまり目にすることもない本ですが、
なにか懐かしいかんじのする本です。

もう暑くて、暑くて、やっと、、8月21日ごろから手を付け始めて、
小学生の夏休みの宿題のごとく、慌てて仕上げたレポートでした。
誤字脱字ごめんなさい。(万年の万とかぬけてました!)
やろうとしてたことも、間違えたり……(せかっくOKもらってたのに)
でもでも、がんばりましたよ!
長年の謎にもケリをつけました!
これでやっと「お百姓と地主」が自分のものになった気がします!
話型を探し、類話を探し、やり残したこともありますが、
(「仏教伝説として3世紀に記録されている」のところとか)
わたしとしては、これでやっと一区切り。
でも今回は楽しかった~。
いろんな本読んだり、おはなし読んだり、
何かをみつけられるって、楽しいですね!

え!なになに、次回からは、おねえさまが復帰されるかも!?ですって!?
(勝手におねえさまにしてごめんなさい~)
きゃー楽しみ!!お待ちしておりますー!!!

          

9月のがらがらどん

こんにちは。
ヤンさんが書いてくださっている通り、先日9月のがらがらどんがありました。
夏休みで一回お休みだったがらがらどんに行ってみたら、絵本のMさんが久々に来てくださっていたり、以前からの知り合いではありますが、がらがらどんではめったにお会いできないかたがたのお顔が!!

なんかいいことがありそうな(^◇^)

では、おはなしのタイトルはこちらです。
「馬の首」 『おはなしのろうそく29』東京子ども図書館
「お盆のいわれ」 出典不明
「頭の大きな男の話」 『日本の昔話4』おざわとしお再話 福音館書店
「かしこいモリー」 『おはなしのろうそく1』 東京子ども図書館
「大工と鬼六」 『日本の昔話2』おざわとしお 福音館書店
「かえるの王さま」 『語るためのグリム童話1』 小澤俊夫監修 小峰書店
「ススペチッチッ ススペランラン」 『アイヌの昔話 ひとつぶのサッチポロ』萱野茂 平凡社
「羊飼いと噴水」 『兵士のハーモニカ』ジャンニ・ロダーリ作 岩波少年文庫
新刊絵本の紹介

「大工と鬼六」は、日常語でした。
アイヌのおはなしは、独特の雰囲気がありますね。
わたしはまだ1話も挑戦したことがありません。
聞き手専門ですが、いつかは挑戦してみたいです。

「カエルの王さま」を語らせていただきました。
数日前にあった勉強会でこの話を語り、ヤンさんにアドバイスをしてもらったので、「宿題を何とかやってきたけれども正解しているかどうかわからないという不安な気持ちで出頭しました」、みたいな気持ちで語りました。
でも、あんまり日が開いていないうちに聞いてもらえる場があってよかったです。
一人では変えたつもりが変わってない、なんてことが全然わかりませんから。
宿題を何とかやり終えたし、ほかのかたのいろんなお話を楽しく聞けたし、絵本もたくさん読んでもらったし、よい一日でした。

次回は10月1日(日)です。
ではみなさん、また来月\(^o^)/